注型加工 Q&A

※弊社で実施する場合を想定してのご回答です

どんな加工方法ですか?

  1. 金型治具及びインサート部品を組み立てます。
  2. 金型に液状の樹脂を静かに流し入れます。この際必要に応じて,真空プロセスを併用することで,樹脂,およびインサート部品(ワーク)に含まれる空気を除去します。
  3. 必要に応じて,オーブンで加熱硬化します。
  4. 金型治具を分離します。
  5. 製品の仕上げ加工をします。

といったプロセスの成形加工です。もしくは,ケースなどを利用して,金型を使用せずに樹脂を必要な部分に充填する場合もあります。

樹脂材料としては何を使用しますか?

 熱硬化性樹脂と呼ばれる,2液(主剤,硬化剤)を混合後に加熱して硬化させるものが多いです。(常温硬化品などもございます。) 
缶などに入った状態で供給される初期状態で液状の材料を使用します。
エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,ウレタン樹脂などが該当します。

“型”としては,どのようなものを使用しますか?

・量産用としては,金属製のもの(いわゆる金型) を使用します。

高い成形圧力はかからないので,射出成形の金型ほど全体の強度は必要ありません。注型加工用としての専用設計品になります。

・簡易試作用としては,マスターモデルをシリコーン樹脂で転写した,いわゆるシリコーン型など簡易的なものも使用可能な場合もあります。

何の製品,部品に利用されていますか?

・高圧送配電部材
・半導体,FPD製造装置
・モータ , リニアモータ モールド(封止)品
・トランス,リアクトル,ソレノイドコイル モールド品
などに多くご利用頂いております。

注型加工でインサート部品をモールド(封止)する場合,その目的は?

・耐電圧特性の強化
・補強,構造体として
・耐振動特性の強化
・高熱伝導性樹脂の含浸による放熱性の強化
・耐水性(耐環境性)の強化

などの目的でモールド(封止)加工をしています。

射出成形(熱可塑/熱硬化) , トランスファ・コンプレッション成形(熱硬化)と比較すると,どのような特徴がありますか?

注型加工のほうが一般的には,

・大型品の成形に適している
・小ロットの成形に適している
・インサートにかかる圧力が小さい (繊細なインサート部品が壊れにくい)
・マグネットワイヤ間などの細かい部分まで,樹脂が充填(含浸)される
・厚肉の成形品を 気泡,ヒケ がない状態で作りやすい

といった傾向(特徴)になります。但し,例外もございます。

どれくらいのサイズまで製造対応が可能ですか?

・工場の荷役設備が 3ton 程度までの対応ですので,運ぶ必要がある部品の重量制限がその程度になります。(金型,ワーク など)

・特殊な金型を使用することで,最大 L=3500mm 程度までの製品の製造実績がございます。